2025_03_11

アーティストたちの記録を編む

 

一般社団法人とおがったプロジェクトさまと共に、アーティストインレジデンスの活動記録集を制作しました。とおがったプロジェクトは、宮城県の遠刈田温泉や白石市を拠点に、世界中のアーティストを招聘し、地域と共にアート活動を展開しています。今回はその一環として、福島県浜通りで行われたアーティストインレジデンスの記録を冊子としてまとめました。

 

 

被災地の今を「アーカイブ」として伝える

このプロジェクトのテーマは「被災地の今をアーカイブとして伝える」。
アーティスト2名が、震災と原子力災害の影響を受けた双葉町・浪江町でリサーチを行い、福島県葛尾村に滞在しながら作品を制作。その成果を発表する展覧会を開催しました。さらに、震災の被災地である仙台と東京で巡回展を実施。被災地の「中」と「外」からの視点を交錯させることで、多くの人々に「被災地の今」を立体的に感じてもらう機会を作りました。

 

 

記録として残すことの意味

この記録集の制作には、プロジェクトを統括された佐藤さん、アーティストのアテンドを担当された永井さんと共に、私たちも編集・デザイン・執筆の立場から関わらせていただきました。師走から1月にかけて活動に伴走しながら、アーティストの表情、展示を見に来た人々の反応、展示会場やギャラリーを運営するコミュニティの存在など、プロジェクトの様々な側面を記録していきました。その過程で、「アーカイブとして残る記録とは何か?」という問いに向き合いながら、冊子の編集やデザインに落とし込んでいきました。また、並走する中で得た気づきや考えを論考として寄稿する機会もいただきました。記録を単なる「記録」として残すのではなく、そこに関わる人々の思考や感情、時間の流れを映し出すような形にすること。それこそが、文化活動をアーカイブする際の大きな意義ではないかと感じています。

 

とおがったプロジェクトの佐藤さん、アーティストの幹-mikiさん、とおがったプロジェクトの永井さん

 

今回のプロジェクトを通じて、一つの活動に深く関わりながら、ひとつの形へとまとめ上げていくプロセスの楽しさを改めて実感しました。今後も、さまざまな文化活動に関わり、その記録を形にするお手伝いをしていけたらと思います。「文化活動のアーカイブをどう形にすればいいか分からない…」「祭事や音楽イベントの記録集を作りたい…」そんなお悩みがあれば、ぜひ私たちにお声がけください。一つひとつの活動の記憶を、しっかりと未来へと残していくお手伝いをいたします。

2024_12_28

いばらきデザインセレクション 知事選定に選ばれました

気づけば、24年も残り数日。
色々楽しいことがあった年、大変なことがあった年、よい意味で目立ったこともなく順調だった年…
人の数だけ様々な1年があるかと思いますが、みなさんはどのような1年を過ごされましたでしょうか。

さて、今年最後の投稿は皆様にご報告でございます。
アイ ディーが茨城町さんと2017年から制作している、町の空気を伝える冊子 Sunが
2024年度のいばらきデザインセレクションの知事選定に選ばれました。


いばらきデザインセレクションとは、茨城の優れたデザインを選定·顕彰し、地域イメージを高め、生活の質の向上や産業振興につなげていく取り組みです。


弊社のこれまでの取り組みなどを見ても、
地元との目に見える関わりが限定的である事も多く、正直地元のデザインセレクションとは縁遠いのかな…と思っていましたが
この度、このような選定を頂けたのは非常に嬉しい限りです。
ようやく、茨城に住むクリエイターとして地域に認められたかな〜という思いです。


来年はこれまで以上に、茨城県内の企業さまや事業主さまとの接点を増やしていければと思っています。
みなさまのご相談をお待ちしております…!

さて、弊社の2024年度の営業は本日12/28までとなります。
2025年度の営業は1/7(月)からとなります。

なお、休暇中のお電話やメールなどの対応も随時可能でございます。ご相談事などにも対応させていただきますのお気軽ご連絡ください。

みなさま、本年も大変お世話になりました。
来年もアイ ディーをどうぞよろしくお願いいたします。

2024_11_04

i,Dの考え方について

2024年も11月に突入。今年もあと二ヶ月を切りました…
季節を感じさせない汗ばむ陽気が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
先日撮影で外に出ていると、橙色に色づいた柿の木に冬鳥であるジョウビタキが羽を休めていました。
季節の移り変わりが遅れ人間たちがヒーヒー言っている中でも、
植物や動物たちには季節の足跡が聞こえているのだな、と感じました。

   

   

   

湖に入る準備万全のライター倉田さんです

最近は都市部で撮影をしたり地域のお仕事もしたりと、日々楽しく活動をさせていただいております。
そんな中での弊社ですが、ありがたいことに、最近お問い合わせをいただくことや
初めてお会いした方とお話をさせていただく機会が増えております。
(この投稿を見たそこのあなたも!お気軽にどうぞ!)

その際、単に良いデザインをするデザイナーさんと紹介されたり、認識をされることに疑問を抱くことが何度かありました。

事例をお見せし説明をさせていただく中で、本当に伝えたいことが伝わっているのか?という問い。
要望に対し最善の仕様を提供するのは当然のことであり、日々熟考や検証をしっかりした上で、
デザインという枠組みを中心に収まっているわけです。
自らの事業を真剣に捉えているからこそ、そのあたりがうまく伝わっているのかを感じたわけです。


そこで、この機会なので、改めて自己紹介がてら、私たちが今考えていることを書き出してみたいと思います。

   

私たちについて

「i,Dさんは多様なお仕事をされているのですね」とお言葉をいただくことが少なくありません。
先日も、初めてお仕事をさせていただいたクライアントさまから上記のご感想をいただきました。
これは、私たちがクライアントさまに応じて、
柔軟かつ幅広い解決策を提示、実現していることの証だと感じています。
創業以来、グラフィックデザインを主軸に据え、個人事業主さまから大手企業、
公共団体などの多岐にわたるプロジェクトに携わってきました。

クライアントさま事業規模に応じ、目標設定や課題解決の方法も多様です。
各プロジェクトの規模や特性を考慮し、目標の設定や企画案の制定、実施期間の計画を立案。
リソースや人員の確保、進行のスケジュールを視覚化、必要な制作物のコピー開発やデザイン提案など、
全体を見据えた包括的な視点でディレクションを行います。
そのため、大規模なキャンペーンから小規模なプロジェクトまで、
日々様々な案件が同時に進行をしています。

   

その一歩手前から関わる

私たちは、事業や活動の一歩手前から関わることで、デザインにおける価値を拡張し、全体を見据えたプロジェクトを展開しています。
クライアントさまとともに成長し、成功を共に喜ぶためのパートナーとして、私たちは手がけたプロジェクトと共に進化と拡張を続けてきました。

具体的には、プロジェクトを通じ、互いの意見や思考を尊重し、想いやビジョンを深く理解し
ディスカッションを繰り返しながら、目指す姿とそこから生まれる価値を共に築いていきます。
私たちが提供するのは、質の高い制作物とクライアントの本質的な価値やメッセージを届ける力です。
関わる全員が同じ熱意で進めるからこそ、プロジェクトそのものがただの「成果」にとどまらず、
事業の成長や共感を広げ、事業そのものに本質的な力を宿らせるものとなり得るのです。

   

   

ざっくりいうと、最近の弊社の考え方はこんな感じです。
デザインの手は動かしつつ、ディレクションを通じてさまざまなものを形にしている、
という考え方がしっくりくるかもしれません。

基本的に、息の長いものを作るのが得意です。

そして、事業や活動の一歩手前から関わることを常に意識しています。

そのこともあってか、ご相談の内容も、プロジェクト型の案件が多いです。
事業を進める上での企画や方向性に合わせたトータルのディレクション、
イベントやキャンペーンに付帯する制作物を得意としています。
制作物の企画から運営方針までを一括でご相談いただくことが多いです。

また、代表の石川は、事業の傍ら、パーソナルワークとしてポスターの制作をしています。
日々のクライアントワークから離れ、一人のものつくりとして、
表現への追求として様々なテーマをもとにしたポスターを制作しています。


自社の対外的イメージを定義・定着させたい、自社の技術を使って新しい製品を開発したい…
そもそも形になるかどうかわからないけど一度話を聞いて欲しい
( 実際にお客さまでいらっしゃいました ) など… 様々なことを形にする力になります。

その一歩手前、から考える。
わたしたちはこの感覚を大切にしています。

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